No.20 学び方の学習
一時期、勉強の仕方が分からない、という子どもの相談に乗っていたことがある。本の読み方とか、ではなくて、効果的な暗記の方法とか、計算練習をどのくらいの文量でどのようにすればよいかといったことを教えた記憶がある。
勉強ができない子は、内容そのものの理解も浅いのだけれども、その前に勉強そのものの仕方が分かっていない場合が多い。そうした子どもに、内容理解ばかり求めても勉強が嫌になるだけだと思いませんか?
教師はあの手この手で学習者を導くものです。興味がわけば、ぐっと学習効果が上がる学習者は、勉強の仕方そのものは理解しているものですが、そうでない学習者も(教師も)多いのが現状だと思います。
例えば、中学生になっても漢字が苦手でほとんどかけない子がいます。こういう子にさらに漢字の書き取りをやらせてもほとんど効果はありません。なぜ、漢字が苦手なのかと言うよりは、なぜ漢字が書けないのかということを考えてみると、暗記する漢字の量が多いにもかかわらず、偏や旁などの構造でグループ化したり、意味のつながりで覚えたりする方法自体が理解できていないのですから、一つ一つバラバラに記憶されている状態、もしくはそういう状態に頭をもっていくので忘れやすく覚えにくいのです。だから漢字が書けないのですから、漢字の覚え方自体をおしえてやらなければなりません。
具体的なことを先に書きましたが、もともとはブルーナーの「教育の過程」が我が国に訳出されて、「転移性の高い学習内容」ということが求められていく中で、学習内容に内包される一般原理の学習が重視されると共に、学習と研究の態度を学ぶということが重視されたのです。
これは昭和40年代のことですが、それ以降、「学び方」に目を向けていくことが非常に大切なことであると考えられています。
良くできる子は案外、自分で効果的な学び方を発見しているものですよね。でも多くの子どもはそれ自体を教えていくことや目を向けさせていくことが必要です。教師自身も「学び方」に目を向ける必要があります。
習熟度別授業
参考図書
「習熟度別・少人数授業」導入と運営の秘訣 小学校国語―意欲と学力を高める
土上智子 出版社: 学事出版 (2005/03)
綾部市立中筋小学校 出版社: 明治図書出版 (2005/09)
明石要一 出版社: 明治図書出版 (2003/11)