教材について

 言語活動を導くための教材の位置づけである。調べ学習を通して集めた情報を視覚効果としてでのように配置するかという点を学ばせるには適当な教材であるといえる。この後の単元、四年三組から発信しますと関係づけて学習すると効果的だろう。 また、アップとルーズという認識の方法自体を学ばせることによって、写真や映像を読み解く方法を学ぶこととなり、視覚資料の理解の方法を獲得する学習としても位置づけられる。いずれにせよ、教材自体の理解の深まりを目指すのではなく、教材に示されていることをモデルとして学習し実際に学習者自身が使ってみる機会を設けておきたい。

概念の理解

 そうはいっても、教材自体はしっかりした文章なので、どのように教材を扱うにしてもある程度読解学習を配置しなければならない。この教材の場合、「アップ」と「ルーズ」という概念を文章を関係づけながら理解し、そういったものの見方がどのように効果的に組み合わされれば効果的な表現が作り出されるかという点の理解へと向かいたい。  また併せて、理解者を意識した表現の工夫の必要性を実感させることも読みとりの中で行っておきたい。

資料作成のメタ認知

 調べ学習を通して調べたことをそのまま資料にしてしまう学習者が多い場合は特に、この教材によって資料作成時に注意しなければならないポイントを学習させておきたいし、そのまま資料にすることよりも効果的に資料を作成することでより多くの人に理解してもらえることを意識させておきたい。そこでこの教材で提示されている方法をモデル学習として読解学習の中で学ばせておくならば、アップとルーズの配置を意識した資料づくりをする必要性がある言語活動を仕掛けたい

  • ①写真か映像資料を使用する
  • ②発表形式を取り聞き手に受け手からの感想を出させる。
  • ③一つのものに対して様々な角度から資料を作る。

 この三つの条件を設定して言語活動の題材を探す。

 地域の伝統行事とか学校の中の施設の説明でもいいので、デジカメやビデオカメラを持たせて視覚資料を集めさせ、集めたものを資料として加工する学習を置いた上で発表会という展開になる。作成する際にも、他の班の発表を聞く場合も、評価の基準はアップとルーズによって効果的な説明ができているかどうかという点に置く。

メディアリテラシーにまでいけるか?

 この教材の読解学習や言語活動を通して、学んだことが学習者のメディア・リテラシーとして定着するかと問われると些か疑問が残る。確かに題材はテレビだし、作成者側の工夫に意識を向けるようにはなる。しかし、実はアップとルーズという方法はカメラワークの問題であり、カメラマンの専門的な技術なのである。アップとルーズで番組を構成しようとするとまずカメラマンの立ち位置の問題や、カメラの精度の問題が非常に大きく影響してくる。  

 四年生にそこまで理解させるのは難しいので、せいぜいテレビ番組を視聴する際にアップとルーズによって工夫されているんだなあということを意識するところぐらいまでしか行かないのではないだろうか?  

 どうしてもという人は、「動きのあるもの」を「より臨場感を持って伝えるためのカメラワークである」というアップとルーズを効果的に組み合わせることの目的をしっかり理解させてその効果の読みとりに入る必要がある。