教材について
杉さんの作品はいくつも教材になっているが、人間社会での心の痛みや病みを何気ない自然の出来事が癒してくれる瞬間を描いたものが少なくない。この教材もそういったテーマを帯びている。 中学生の少年の日常を描いているので、学習者には共感できる読みやすい教材だ。男の子が主人公だが、女の子が読んでも共感できるくらい中性的な感じがする。間接的に描かれている心情描写を周囲の文脈や言葉の使われ方から推論する学習を仕掛けたいのだが、やや直接的な心情表現が多いので、心情描写の変化を追う学習にするかも知れない。