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解説

 国語科の授業を構想する際に、重要な観点となってくるのが、学習した内容を学習者の言語生活に生きるための手だてを学習としてきちんと位置づけているかどうかという点があります。  

 図に示したように、授業で身につけられることばの力は、教師の発問や指示に導かれて発動する力でしかありません。宿題など指示されたことを過程で行うことが学習者の言語生活への関連づけではもちろんありません。 家庭生活を中心とした日所住生活の中で、ものを書いたり、本を読んだり、ことばでものを考えたりするようになることが重要なのです。こういった点は従来、週間の形成という観点で語られてきました。それもやはり大切なことなのですが、学習者が身につけていることばの力の内実がそういった言語生活の中で生きるものでないことが問題なのです。 日常生活でことばを使う場合、目的があり、必要性があります。またことばを使う状況を見定め、その状況に応じたことばの使い方を選択することも重要なことです。  

 こういった力は、本を読む力やものを各地からの一部として身につけられていくものなのですが、学校の授業ではどうしても身に付きません。なぜなら学校の授業では、学習は教師の指示や問いかけによって成立しているからです。まさに教師に導かれているものだからです。ゆえに、自分で本を読むということがどんな目的宿のような必要性がある場合七日ということすら理解できていないまま大学生になる学習者が多いのです。このような状況で自分から本を探して読む子供が育つわけがありません。  

 授業を構想する際に、学習内容となっていることばの使い方が、どのような目的や必要性で日常生活の中で行われるものなのかという点に対する配慮と学習の組織、また具体的な状況に応じてどのように使われるものなのかという学習も併せて行いたいものです。これが本当の意味での国語科の発展学習であることはいうまでもありません。

 

図説

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参考書籍

桑原 隆
言語活動主義・言語生活主義の探究―西尾実国語教育論の展開と発展
ルドルフ シュタイナー
シュタイナーの美しい生活―建築から服飾そして言語
山口県小学校教育研究会国語部
「言語生活単元学習」の開発と展開
桑原 隆
言語生活者を育てる―言語生活論&ホール・ランゲージの地平
高森 邦明
言語生活的作文の指導シート
倉沢 栄吉
生活にねざす言語指導
 

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