関わりの教育学 

                岡田敬司 ミネルヴァ書房  1993       

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目次

序論  

第一章 権力的かかわり  

第二章 権威的かかわり  

第三章 認知葛藤的かかわり  

第四章 受容・呼応的かかわり  

終章

 

概要

 かつて、学校教育が社会学によって解体されたとき、学習者が潜在的に身につける身ごなしや考え方をヒドゥン・カリキュラムと呼びその内実が考究されたことがあった。  

 そういう解体にプロセスで、学習者は講義型の授業に対してあくまで受け身的に参加しているのではなく、その方が楽だから参加しているのだという考え方を目にしたことがある。  

 学習者は教師との関係をどのように結んでいるのかという点に注目して研究を進めていた私は、学習者の主体的・積極的な受動性に着目した。 先生がたくさん指示して導いてくれる方が自分で考えなくて良いから楽なのだということを思った。 「権力的かかわり」とは、学習者を抑圧する教室の垂直構造として批判されたが、問題なのは、学習者自身がそういった関係に慣れてしまえば、自分でものを考えなくても黙って先生の指示にしたがっておけばよい学習状況を生み出すことに問題があるのだ。  

 学習者自身にものを考えさせたり、学習に主体的に参加させたりすることは、教師が一歩引いて支援者に回ることでは決してない。しかしだからといって、高圧的な垂直関係に持ち込むことでもない。  本書にはではどうすればよいのかということがいくつかの可能性として記述されている。学習者との関係を授業の中でどのように構築していくのかということは非常に頭を悩ませることである。特に中・高等学校の先生方は毎日悩んでいることだと思う。  

 日々の学習者との関係を見直していくためにも本書を是非読んで欲しい。 重要なことは、学習者が聞こうとか参加しようとか思わなければ、本当の意味での授業は成立していないという点にある。学習者も人間であるから楽な環境に身を置きたいと願うし、いくらでも勉強しているふりはできるのである。 

 

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