人間教育研究協議会編 金子書房 2005
教育目標と評価基準を考える
教育実践を導く評価の課題と展望
ポートフォリオ評価を活用するために
国語科の目標分析と授業づくり
数学科の学習評価と確かな学力の育成
問題解決学習のあり方と形成的評価
単元通知票の意義と実践
学校教育目標の構造化と評価の工夫
学校評価を活かした「総合的な学習の時間」
いきいきした学校づくりと学校評価
学力調査・学力テストの論理とその活用
講演記録 いのちの教育
教育評価を考えていくことは、現在求められている確かな学力の育成に深く関係している。校内研修や委託研究などでも、評価どうする?という声はよく聞かれる。日々の実践が本当に学習者の力になっているのかを捉え、明らかに示していくことが求められている以上、この評価をどうするかは本当に切実な問題である。
さて、評価の方法の工夫に関しては、評価時期の多角化、評価者の複数化や協力体制の構築など、様々な試みが進められている。こういった試みにアドバイスする際にはいつも学習内容と評価方法の関係をよく考えていかないといけないということを言います。それは、評価によってられた様々な情報を授業づくりを中心に効果的に活かしていくことが求められるからだ。
本書は、そういう意味では、教育目標の分析を通して、目標と授業と評価の三つをきちんと整合性を持って関係づけていくための方法が記されている。学習内容を目標分析を通して具体化したり細分化したりすることで構想する授業はかなりシステマティックになるのだが、そうしたこと以上に学びの道筋が明確になり、学習者と共有できる機会も増えてくる。
また、最後の菅井先生の講演記録も是非一読して欲しいものである。先生は大阪教育大学附属池田小学校の事件当時の関係者で、この事件の後小学校がどのように現在の姿に再生してきたかということ、事件をどのように当事者として受け止め、子どもたちや保護者とどのように関わってきたのかと言うことを詳細に語ってくれている。