質的研究法による授業研究

                        平山満義 北大路書房 1997           

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目次

第一編 教育学から見た質的授業研究  

 第一章 教育学からみた今日の授業研究の課題  第二章 エスノグラフィー法の意義と手続き  第三章 エスノグラフィー法による信頼性と妥当性  第四章 質的研究法と量的研究法を融合した授業研究   第五章 文化としての「指導/teaching」  第六章 質的研究法による「いじめ」問題へのアプローチ

第二編 教育工学からみた質的授業研究  

 第一章 質的研究が教育工学においてめざすもの  第二章 質的研究手法  第三章 質的研究におけるコンピュータの利用  第四章 コンピュータを用いた授業を対象とした質的な研究  第五章 質的方法を用いたインターネットの教育利用に関する研究  

第三編 心理学からみた質的授業研究  

 第一章 今日の授業研究の問題点  第二章 授業における学習者の素朴理論変換の可能性  第三章 授業場面における理解過程の分析 国語科の授業を中心に  第四章 授業における数学的実践の社会的構成  第五章 子どもの理解をふまえたモラルジレンマ授業分析

 

概要

 この授業はよい授業かどうかということをどうやって決めるのかという問題は様々な変遷を見てきた。特に駄目な授業や授業の駄目な所を指摘する方法はいくつもあるし、何年も教師をやっているとそういう点は目に付きやすい。   

 一方で自分が悩んでいることの解決策が研究授業などで示されると、大いに感動し、全く同じ方法を試してみて失敗する。それは学習者が違うのだから当然なのだが、教材も違えば、教師歴も違うとなれば、やっぱりいい授業を見て真似をしてみたとしてもなかなかうまくいかない。  

 本書は、教育学、教育工学、心理学の学問領域の知見を生かした質的授業研究の方法と試みが示されている。エスノやアクションリサーチなど、比較的現在行われている方法も、???という人には入門書としていいのではないだろうか。  

 量的研究法の長所短所、質的研究法の長所短所を折衷し、多角的な方法で授業研究が行われる事が重要なので、特に授業という現象の質的側面にだけ固執する必要はないが、普通に授業研究をするとどうしても、客観的な量的側面に対して、主観的にならざるを得ない質的側面をより確かに情報化する方法として利用できるように思う。  

 ただ一つだけ気になるのは、没価値的だなと感じることだ。 一体誰のために、何のために授業研究をするのか?それによってもう少し方法自体が具体的になっていくように思える。

 

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